中古車を買ったらすぐ車検?購入直後に点検・整備を受けるべき理由と失敗しない手順

中古車市場は年々拡大し、価格の手頃さやモデル選択の幅広さから多くのドライバーが中古車を選んでいます。しかし、購入後まもなく「車検を受ける事になるのでは?」と不安になる人が少なくありません。そこで本記事では中古車を買ってすぐに車検を検討する際のメリット・デメリット、費用相場、手続きの流れ、そして注意点を徹底解説します。購入直後の点検や整備が安全面・経済面でどれほど重要かを理解し、後悔しないカーライフをスタートさせましょう。
そもそも車検とは?基本を押さえてリスクを回避

車検の役割
車検(自動車検査登録制度)は、道路運送車両法に基づき国が定める保安基準に適合しているかを確認する制度です。走行性能や環境性能を一定水準以上に保つことで、ドライバー自身と周囲の安全を守る役割があります。
新車・中古車における車検サイクルの違い
新車は初回3年、以降2年ごとに車検があります。(一部車種を除く)一方、中古車は前オーナーがいつ車検を受けたかによって残存期間が異なり、購入時点で「あと何カ月有効か」を確認するのがポイントです。
中古車を買ってすぐ車検を受ける4つのメリット
隠れた故障リスクを早期に発見できる
購入時の販売店チェックだけでは見抜けない経年劣化部品や油脂類の汚れをプロが総点検。重大トラブルを未然に防ぎます。
整備記録が自分名義でスタートする
購入直後に車検整備すれば、以後のメンテナンス履歴が一目瞭然。再販時の下取り価格アップにもつながりやすいです。
自動車保険の車両トラブル時に証明書類が役立つ
車検証や整備記録簿が新しくなることで、保険会社への提出書類がスムーズになり、査定減額を避けられる場合があります。
法定費用以外の追加出費を抑制できる
バッテリーやタイヤ交換などを車検と同時に行うと工賃がまとめて割安に。早期整備は結果的にコストセーブに貢献します。
逆にデメリットは?車検残が長い場合のコストと手間

法定費用の二重払い
車検満了まで半年以上残っていると、自賠責保険や重量税を再度支払うことになるため重複コストが発生します。
代車や預かり期間が無駄に感じる
通勤で車が必須な人にとって、1~2日でも車両を預けるのは負担。車検残が十分なら点検パックで様子を見る選択肢もあります。
一部保証とのバッティング
購入店の無料保証に「一定期間内の消耗品交換は無償」という特典が付いている場合、すぐ車検を受けると保証を使いそびれる可能性があります。
自分の中古車は受けるべき?
車検残が6カ月未満
走行距離が5万km以上→すぐ車検を検討
走行距離が少ない→購入店点検 or 12カ月点検で十分
車検残が6カ月以上
整備記録簿が乏しい→すぐ車検も選択肢
整備記録簿が充実→次回車検まで様子見
この簡易フローを目安に、走行環境(長距離・山道など)や前オーナーのメンテナンス状況も勘案して判断しましょう。
車検費用のリアル【相場と内訳】

項目 | 軽自動車 | 小型乗用車(~1t) | 中型乗用車(~1.5t) | 大型乗用車(~2t) |
自賠責保険(24カ月) | 約19,730円 | 約20,010円 | 約20,010円 | 約20,010円 |
重量税※ | 6,600円 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 |
印紙代 | 1,800円 | 1,800円 | 1,800円 | 1,800円 |
基本点検・整備料 | 15,000~30,000円 | 20,000~35,000円 | 25,000~40,000円 | 30,000~45,000円 |
合計目安 | 43,000~60,000円 | 58,000~73,000円 | 71,000~88,000円 | 84,000~100,000円 |
※初年度登録から13年・18年超の場合は重量税が加算されます。中古車の年式確認を忘れずに。
賢い「すぐ車検」の受け方【手続きと業者選び】
依頼先のパターン
ディーラー車検
純正部品で安心感が高いが費用は高め。
指定整備工場(民間車検場)
コスパ良好。国家資格保有の整備士が在籍し、1日車検も可能。
ユーザー車検(持ち込み)
自分で陸運支局に車を持ち込む方法。法定費用のみで最安だが、整備知識と時間が必要。
準備書類
- 車検証
- 自賠責保険証明書(現在分)
- 自動車税納税証明書
- 認印
- ローン中の場合は使用承諾書
予約から受検までの流れ
- 電話やネットで予約
- 入庫・事前点検
- 整備・部品交換の見積もり確認
- 追加整備の可否を判断
- 完了確認・支払い・車検証交付
「買ってすぐ車検」で追加整備が必要になる主な部品リスト

- ブレーキパッド・ライニング
- タイヤ溝およびゴム硬化
- ワイパーブレード・ゴム
- バッテリー(比重・充電能力)
- エンジンオイル・オイルフィルター
- ドライブシャフトブーツ・ステアリングブーツ
- ファンベルト・タイミングベルト(チェーン車除く)
よくある質問(FAQ)
Q1. 車検残が1年あるが、長距離通勤なので不安。受けるべき?
月間走行距離が2,000kmを超えるなら、12カ月点検または早期車検での総合整備がおすすめです。
Q2. 販売店保証が3カ月付いている。すぐ車検すると保証は無効?
整備箇所が保証対象外になってしまう可能性があるため、保証内容を販売店に確認し、保証期間後に車検を受ける方法も検討しましょう。
Q3. ユーザー車検は本当に安い?
法定費用+2,000~3,000円程度で済む反面、事前整備を怠ると不合格・再検査で結果的に高くつくケースも。整備知識に自信がない場合はプロに任せたほうが安心です。
まとめ

中古車購入直後に車検を受けるかどうかは、車検残や走行距離、整備履歴、そして今後の使用環境によって最適解が変わります。ただし「安全性の確保」と「長期的な維持コスト削減」という観点で見ると、すぐ車検は有力な選択肢です。特に初めて中古車に乗る人や、長距離・高速走行が多いドライバーは早期整備で安心を手に入れましょう。
最後に、本記事で解説した判断フローや費用相場、業者選びのコツを参考に、自分に最適なタイミングで車検を実施し、安全かつ快適なカーライフをスタートしてください。
この記事を書いた人
山口県を拠点に新車・中古車販売、整備、板金塗装、買取を手掛ける自動車総合サービス企業です。専門スタッフによる確かな技術と知識で、お客様の車選びから維持までをサポート。「新車のような、中古車を。」をモットーに、プロの視点から車に関するお役立ち情報を発信しています。