車検・整備

車のエアコンから異音がする原因は?ブーン・キュルキュル音の正体と修理費用

2026年2月13日

「エアコンをつけるとブーンという音がする」「ダッシュボードの奥から異音が聞こえる」

車のエアコンから聞き慣れない音がすると、故障ではないかと不安になるものです。

エアコンの異音は、音の種類や発生場所によって原因が異なります。フィルターの汚れで済む軽度なものから、部品の交換が必要な故障まで、状況はさまざまです。

この記事では、車のエアコンから発生する異音の種類と原因、自分でできる対処法、修理が必要な場合の費用目安まで詳しく解説します。

カーエアコンの仕組みと異音の発生箇所

エアコンの異音を理解するために、まずはカーエアコンがどのような仕組みで動いているのか、基本を押さえておきましょう。

カーエアコンの基本構造

カーエアコンは、冷媒ガス(エアコンガス)を循環させることで冷気を作り出しています。主要な構成部品は以下のとおりです。

【コンプレッサー】

エンジンの動力を利用して冷媒ガスを圧縮する装置です。エンジンルーム内に設置されており、エアコンの心臓部ともいえる重要な部品です。コンプレッサーで圧縮されたガスは高温・高圧の状態になります。

【コンデンサー】

ラジエーターの前方に設置されている熱交換器です。高温・高圧のガスを走行風やファンで冷やし、液体に変化させます。

【エバポレーター】

ダッシュボード内部に設置されている熱交換器です。液体の冷媒が気化する際に周囲の熱を奪うことで、空気を冷やします。冷やされた空気が車内に送られます。

【ブロアファンモーター】

エバポレーターで冷やされた空気を車内に送り込むファンです。いわば車内専用の扇風機のような役割を果たしています。ダッシュボード内部、多くの場合は助手席側グローブボックスの奥に設置されています。

【エアコンフィルター】

車外から取り込む空気や車内の空気をろ過するフィルターです。花粉やホコリ、排気ガスの微粒子などを除去します。

異音が発生する場所と聞こえ方

エアコンの異音は、発生する場所によって聞こえ方が異なります。

車内から聞こえる場合

ブロアファンモーター、エバポレーター、エアコンフィルターの異常

エンジンルームから聞こえる場合

コンプレッサー、コンプレッサーベルト、マグネットクラッチの異常

異音がどこから聞こえるかを特定することが、原因究明の第一歩です。エンジンをかけた状態でエアコンをON/OFFしたり、風量を変えたりしながら、音の変化を観察してみてください。

正常な動作音との違い

エアコンは正常に動作していても、ある程度の音は発生します。エアコンをONにしたときに聞こえる「カチッ」という音は、コンプレッサーを作動させるマグネットクラッチが接続した音であり、異常ではありません。

また、エアコンの風量を上げれば送風音が大きくなるのも正常です。

異常を疑うべきなのは、これまで聞こえなかった音が聞こえるようになった場合や、明らかに不快な音、金属が擦れるような音、うなり音などが発生した場合です。

ブーン音の原因と対処法

「ブーン」という低いうなり音は、カーエアコンの異音で最も多い症状の一つです。この音が聞こえたときに考えられる原因と対処法を解説します。

ブロアファンモーターの異常

車内からブーンといううなり音が聞こえる場合、最も疑わしいのはブロアファンモーターの異常です。

ブロアファンモーターは、内部にベアリング(軸受け)を持つ電動モーターです。長期間の使用によってベアリングが摩耗したり、潤滑油が切れたりすると、回転軸がブレてうなり音が発生します。

また、ファンの羽根部分に落ち葉やゴミなどの異物が付着している場合も、回転バランスが崩れてブーン音の原因になることがあります。

【対処法】

異物が原因の場合は、取り除くことで解消できます。ただし、ブロアファンモーターはダッシュボード内部に設置されているため、自分でアクセスするのは難しい車種がほとんどです。整備工場やディーラーに点検を依頼することをおすすめします。

ベアリングの摩耗が原因の場合は、ブロアファンモーターの交換が必要です。

エアコンフィルターの目詰まり

エアコンフィルターにホコリや汚れが詰まっていると、空気の流れが悪くなり、ブロアファンモーターに負荷がかかってブーン音が発生することがあります。

エアコンフィルターは消耗品であり、定期的な交換が必要です。交換目安は1年または走行距離10,000〜15,000km程度ですが、花粉の多い時期や黄砂の季節、交通量の多い道路を頻繁に走る場合は、より早く汚れます。

【対処法】

エアコンフィルターは、多くの車種で助手席のグローブボックスを外すと自分で交換できます。フィルター自体は2,000円〜5,000円程度で購入でき、車種によってはDIYで交換可能です。

フィルター交換で音が改善しない場合は、ブロアファンモーターやエバポレーターに問題がある可能性があります。

エバポレーターの詰まり

エバポレーターにホコリや汚れが蓄積している場合も、ブーン音やガラガラ音が発生することがあります。

エバポレーターは冷気を作る部品のため、温度差で結露が発生しやすく、湿気が多い環境です。そこにホコリや汚れが付着すると、カビが発生しやすくなります。

エバポレーターが汚れていると、異音だけでなく「カビ臭い」「酸っぱい臭い」といった異臭の原因にもなります。汚れた状態のままエアコンを使い続けると、カビの胞子が車内に放出され、喘息やアレルギーの原因になる可能性もあります。

【対処法】

エバポレーターの洗浄は、市販のスプレータイプ洗浄剤を使う方法と、専門業者に依頼して高圧洗浄を行う方法があります。

市販のスプレー洗浄剤は1,000円〜2,000円程度で購入でき、自分で施工することも可能ですが、効果は簡易的なものにとどまります。

本格的にきれいにしたい場合は、専門業者による高圧洗浄がおすすめです。エバポレーターを取り外さずに洗浄できる業者もあり、費用は20,000円〜40,000円程度が目安です。

その他の異音と原因

ブーン音以外にも、エアコンからはさまざまな異音が発生することがあります。音の種類別に原因を見ていきましょう。

キュルキュル・キーン音

エアコンをONにしたときに「キュルキュル」「キーン」という高い音が聞こえる場合、ブロアファンモーターのベアリング劣化か、エンジンルーム内のコンプレッサーベルト(エアコンベルト)の異常が考えられます。

【ブロアファンモーターの場合】

ベアリングが劣化して金属同士が擦れることで、キュルキュルやキーンという甲高い音が発生します。この場合、音が風量に連動して変化することが多いです。風量を上げると音が大きくなる、または音の高さが変わるようであれば、ブロアファンモーターが原因である可能性が高いでしょう。

対処法はモーターの交換です。

【コンプレッサーベルトの場合】

コンプレッサーはエンジンの回転をベルトで受け取って動作しています。このベルトが劣化して滑っていると、キュルキュルという音が発生します。ベルトの張りが緩んでいたり、ひび割れや摩耗が進んでいたりする場合に起こりやすい症状です。

エンジンルームから音が聞こえ、エアコンをOFFにすると音が消える場合は、コンプレッサーベルトを疑ってください。

対処法はベルトの張り調整または交換です。ベルト交換の費用は5,000円〜15,000円程度が目安です。

ジー・ギギギ音

エンジンルームから「ジー」「ギギギ」という重い金属音が聞こえる場合、コンプレッサーの故障が疑われます。

コンプレッサーは内部で冷媒ガスを高圧に圧縮するため、非常に高い負荷がかかる部品です。長期間の使用や、冷媒ガスの不足によって内部の潤滑が悪くなると、焼き付きを起こして異音が発生します。

コンプレッサーが焼き付いてしまうと、エアコンは冷房機能を完全に失います。また、焼き付いたコンプレッサーを放置したまま走り続けると、破損した部品や汚染された冷媒がエアコン回路全体に回り、他の部品にまでダメージが及ぶ可能性があります。

【対処法】

コンプレッサーの異音を感じたら、早めに整備工場で点検を受けてください。初期段階であれば、冷媒ガスの補充やベルトの調整で改善する場合もあります。

コンプレッサー本体の交換が必要な場合は、高額な修理費用がかかります(後述)。

シューッ音

エンジンを止めて静かな状態でシューッという空気が抜けるような音が聞こえる場合、冷媒ガスが漏れている可能性があります。

ガス漏れの発生箇所は、エンジンルーム内の配管の接続部分、ゴム製のパッキン、エバポレーターなど、さまざまです。経年劣化でパッキンが破れたり、配管に微細な穴が開いたりすることで漏れが発生します。

冷媒ガスが抜けきると音は止まりますが、エアコンは冷房機能を失います。

【対処法】

ガス漏れは自分で修理することが難しいため、整備工場に依頼してください。漏れ箇所の特定と修理を行ったうえで、冷媒ガスを補充する必要があります。

カチカチ・カタカタ音

エンジンルームから断続的に「カチカチ」「カタカタ」という音が聞こえる場合、マグネットクラッチの異常が考えられます。

マグネットクラッチは、エンジンの回転をコンプレッサーに伝えたり、切り離したりするための電磁クラッチです。正常であれば、エアコンをONにしたときに「カチッ」と1回音がしてコンプレッサーが動き始めますが、何度も断続的にカチカチと音がする場合は異常です。

マグネットクラッチが吸い付いたり離れたりを繰り返している状態であり、冷媒ガスの不足、コンプレッサーの異常、電気系統のトラブルなどが原因として考えられます。

【対処法】

マグネットクラッチの異常を放置すると、コンプレッサーの故障につながります。早めに整備工場で点検を受けてください。

ゴー・ガラガラ音

車内から「ゴー」という大きな音や「ガラガラ」という音が聞こえる場合、ブロアファンモーターの故障、またはファン内部への異物混入が考えられます。

ブロアファンの羽根が破損していたり、モーターの軸がガタついていたりすると、回転時にゴーやガラガラという大きな音が発生します。

また、エアコンの外気取り入れ口から落ち葉や小枝、虫などが入り込み、ファンに接触して音を立てていることもあります。

【対処法】

異物が原因であれば、取り除くことで解消します。ブロアファンモーター自体が故障している場合は交換が必要です。

放置するとどうなる?異音を無視するリスク

エアコンの異音を「動いているから大丈夫」と放置していると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。

故障の拡大と修理費用の増大

異音は部品の不調を知らせる初期症状です。早めに対処すれば軽度の修理で済むものが、放置することで故障が拡大し、修理費用が大幅に増えるケースは少なくありません。

たとえば、コンプレッサーの異音を放置して焼き付きを起こすと、コンプレッサーだけでなく、エアコン回路内の他の部品(コンデンサー、エキスパンションバルブ、レシーバータンクなど)も汚染され、回路全体の洗浄や部品交換が必要になることがあります。

初期段階でコンプレッサーベルトの調整やガス補充で済んだものが、放置したことで総額20万円以上の修理になることも珍しくありません。

突然の故障

異音を発しながらも動いていたエアコンが、突然まったく動かなくなることがあります。

真夏の炎天下でエアコンが効かなくなると、車内は危険な高温になります。熱中症のリスクがあるだけでなく、乗り合わせた子どもやペット、高齢者の健康を脅かす事態にもなりかねません。

異音を感じたら、「まだ動いているから」と過信せず、早めに点検を受けることが大切です。

健康への影響

エバポレーターやフィルターの汚れが原因の異音を放置していると、カビの胞子や雑菌が車内に放出され続けることになります。

エアコンの風に乗ってカビを吸い込み続けると、喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などの症状を引き起こす可能性があります。とくに小さなお子さんやアレルギー体質の方がいる場合は、注意が必要です。

修理費用の目安

エアコンの異音を修理する場合の費用目安を、原因別に紹介します。費用は車種や依頼先によって異なりますので、参考程度にお考えください。

エアコンフィルター交換

・費用目安:3,000円〜5,000円

・DIYの場合:フィルター代2,000円〜4,000円

エアコンフィルターは消耗品であり、交換は比較的簡単です。多くの車種で助手席のグローブボックスを外せばアクセスできるため、DIYでの交換も可能です。

脱臭機能付きや抗菌・抗ウイルス機能付きのフィルターは、通常のフィルターより高価ですが、快適性や健康面でのメリットがあります。

エバポレーター洗浄

・簡易洗浄(スプレータイプ):1,000円〜2,000円(DIY)

・業者による洗浄:6,000円〜25,000円

・高圧洗浄:20,000円〜40,000円

市販のスプレータイプ洗浄剤は手軽ですが、効果は一時的で、表面的な汚れしか落とせません。エバポレーターの奥までしっかり洗浄したい場合は、専門業者への依頼がおすすめです。

エバポレーターの交換が必要な場合は、50,000円〜100,000円程度の費用がかかります。

ブロアファンモーター交換

・費用目安:20,000円〜50,000円

・軽自動車:15,000円〜40,000円

・輸入車:30,000円〜100,000円

ブロアファンモーターの部品代は5,000円〜30,000円程度ですが、ダッシュボードの一部を取り外して交換作業を行うため、工賃がかかります。車種によっては作業に時間がかかり、工賃が高くなることもあります。

社外品のモーターを使用することで部品代を抑えられる場合もありますが、品質にばらつきがあるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。

コンプレッサーベルト交換

・費用目安:5,000円〜15,000円

ベルト自体の部品代は数千円程度で、交換作業も比較的容易なため、修理費用は抑えられます。ベルトの張り調整だけで済む場合は、さらに安く済むこともあります。

コンプレッサー交換

・費用目安:50,000円〜100,000円以上

・リビルト品使用の場合:35,000円〜70,000円

コンプレッサーはエアコンの主要部品であり、交換費用は高額です。新品ではなく「リビルト品」(中古部品を分解・整備・再生したもの)を使用することで、費用を7割程度に抑えられることがあります。

リビルト品は新品より入手が早く、多くの整備工場で採用されています。品質にも大きな問題はありませんが、特殊な車種では対応していない場合もあります。

ガス漏れ修理・ガス補充

・ガス補充のみ:3,000円〜10,000円

・パッキン交換・配管修理:10,000円〜30,000円

・エバポレーターからの漏れ修理:50,000円〜100,000円

ガス漏れの修理費用は、漏れている箇所によって大きく異なります。配管の接続部分のパッキン交換で済む場合は比較的安価ですが、エバポレーターからの漏れは修理費用が高額になります。

単にガスを補充しても、漏れ箇所を修理しなければ再び抜けてしまうため、漏れの原因を特定して修理することが重要です。

まとめ

車のエアコンから異音がする場合、音の種類と発生場所によって原因が異なります。

「ブーン」という低いうなり音は、ブロアファンモーターの異常、エアコンフィルターの目詰まり、エバポレーターの汚れなどが原因として考えられます。フィルター交換やエバポレーター洗浄で改善する場合もあるため、まずはこれらを試してみてください。

「キュルキュル」「キーン」という高い音は、ブロアファンモーターのベアリング劣化やコンプレッサーベルトの異常が疑われます。

「ジー」「ギギギ」という重い金属音がエンジンルームから聞こえる場合は、コンプレッサーの故障の可能性があります。放置すると高額な修理費用がかかることもあるため、早めに点検を受けてください。

エアコンの異音は、故障の初期症状であることが多いです。「まだ動いているから」と放置せず、気になる音がしたら早めに対処することで、修理費用を抑え、快適なカーライフを維持できます。

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