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【中古車を購入するなら必読】走行距離で後悔しないための注意点と賢い選び方

2025年5月9日

中古市場には実に多種多様な車が出回っており、新車とはひと味違った魅力を持っています。価格面のメリットや、すでに生産終了となった希少モデルを狙える可能性など、「中古車」だからこそ得られるメリットは数多いでしょう。しかし、いざ購入を検討するとなると、年式や修復歴、車検の残り期限など、確認すべき項目が山ほど出てきます。そのなかでも特に大きな影響を及ぼすのが「走行距離」です。走行距離は車両のコンディションや今後の維持費に直結する重要な要素であり、これを軽視してしまうと、大切なお金をかけたのにもかかわらず、後悔につながる可能性が高まります。

本記事では、「中古車を購入する際の注意点」として、走行距離にまつわるポイントを中心に、その他のチェックすべき項目やメンテナンスの考え方を包括的に解説します。読み進めることで、少しでもあなたの中古車選びのお力になれると信じています。ぜひ最後までお付き合いください。

中古車の魅力と市場動向

中古車は新車にはないコストパフォーマンスやレアリティが魅力です。例えば、同じ車種・同じグレードでも、新車登録から数年が経過するだけで価格が大きく下がるケースが多く、予算を抑えつつ好きな車を手に入れやすいというメリットがあります。また、新車ではオプションで高額になるカーナビやエアロパーツ、アルミホイールなどが標準装備されている場合もあり、思わぬお買い得感を得られることもあるでしょう。

さらに、近年は車種やブランドの多様化だけでなく、ライフスタイルの変化に伴って中古車市場も活発化しています。リセールバリューが高い車種や人気モデルの場合、一定の走行距離がついていても値落ちが少なく、比較的高値で流通することも珍しくありません。そのため、中古車を購入する段階で走行距離に関心を寄せる方は多いですが、ここで重要なのは「単に距離が少ないから良い」というわけではない点です。車の状態は走行距離とメンテナンス履歴が深く関係しており、走行距離の見方を正しく理解しておくことが不可欠となります。

走行距離はどのくらい気にすべきか

一般的な目安としての年式×1km

中古車選びにおいて、まずひとつの目安となるのが「年式×1万km」程度という考え方です。例えば、登録から5年経過している車であれば走行距離5万km前後が平均的といわれます。しかし、この数字はあくまで“目安”にすぎません。実際には、年間2万km以上走る営業車もあれば、週末しか使わないセカンドカーのように年間走行距離が極端に少ない車も存在します。

走行距離だけで状態を判断しきれない理由

走行距離はあくまで「これまでどれだけ走ったか」の指標であり、その間にどんなメンテナンスを受け、どのような道路環境を走ったかまでは直接示してくれません。オイル交換を定期的に行い、長距離ドライブ中心に使用されていた車は、走行距離が多少多くてもエンジンや足回りが良好なケースもあります。逆に、走行距離が短くてもこまめなメンテナンスがされていなかったり、雪国や海沿いなど過酷な条件で使われていたりすると、ダメージが蓄積されている場合もあります。

つまり、走行距離は中古車の良否を判断するうえで必須の基準ではあるものの、それだけに依存してしまうのは危険です。むしろ、整備履歴や現車の状態、そして実際の試乗が総合的に判断を下すカギとなります。

走行距離以外に確認したいポイント

修復歴

車両価格が他より大幅に安い場合や、外見に対してやたら走行距離だけが少ない場合は、修復歴の有無をしっかり確認する必要があります。修復歴のある車はフレーム部分にダメージを受けている可能性があり、走行に支障をきたすことやタイヤの偏摩耗などにつながるケースがあります。ただし、軽度の板金修理であれば大きな問題にならない場合もあるため、「どの程度の修復歴なのか」を見極めることが重要です。

整備記録簿とメンテナンス履歴

中古車を購入する際、記録簿の有無は信頼度に直結します。きちんと定期点検を受けてきた車であれば、消耗部品の交換時期などが正確にわかり、今後のメンテナンス計画も立てやすくなります。オイルやフィルター、ブレーキパッド、タイヤ交換などが適切なタイミングで行われている車は、走行距離がやや多めでも安心感があります。

年式と使用環境

同じ年式の車でも、都市部で短距離のストップ&ゴーが多い環境下で使われていたのか、あるいは高速道路中心のロングドライブが主体だったのかでエンジンやブレーキの消耗度合いは変わります。山道や雪道を頻繁に走る地域ではサスペンションやボディ下部に負担がかかりやすく、サビが発生しやすいこともあるため、居住地域や通勤・レジャー利用の実態など、細かい情報を聞けるなら積極的に確認すると良いでしょう。

“走行距離が長い=ダメ”とは言い切れない理由

走行距離が10万kmを超えると「もう寿命に近いのでは」と敬遠する方も少なくありません。しかし、実際には10万kmを超えてなお十分に走れる車はたくさんあります。ここでは、走行距離が長い車が一概に悪いわけではない理由を解説します。

定期的な長距離運転はコンディションを保ちやすい

走行距離が多いということは、それだけエンジンが頻繁に回っていたとも考えられます。特に高速道路を長時間走るような使われ方をしていれば、エンジン負荷が一定に保たれやすく、過度なストップ&ゴーによるダメージが少ないケースもあります。高速走行中はアイドリングストップの繰り返しがないため、エンジン内部への負担が軽減される場合もあるのです。

部品交換済みならむしろ安心材料になることも

10万km近くある車の場合、タイミングベルトやウォーターポンプなど、エンジン周りの主要部品がすでに交換されていることがあります。消耗部品をきちんと交換している履歴があれば、むしろ安心材料と考えることもできます。逆に低走行距離でも年式が古い車で交換履歴がない場合は、購入後すぐに部品交換の出費が発生する可能性があり、結果的にコストがかさむこともあるのです。

車種やエンジンの特性

耐久性が高いエンジンを持つ車や、もともとタクシーや法人向けに開発された商用モデルは、長距離走行を前提として設計されているケースがあります。こうしたモデルは10万km以上でもまだまだ走れるポテンシャルを持っている場合が多いです。車種ごとの耐久性や評判も含めてリサーチしておくと、走行距離だけにとらわれずに済みます。

購入前に必ず行いたい現車チェックのコツ

走行距離や年式、整備記録がいくら良さそうでも、実際に自分の目で確かめてみなければわからないことは多々あります。ここでは、中古車を購入する前に必ず行いたい現車チェックのポイントを整理します。

ボディの外観・下回りの状態

  • キズやヘコミ:小さなキズは中古車であれば多少は仕方ありませんが、大きな修理跡や塗装の剥がれがないか確認しましょう。
  • サビや腐食:特に車体の下回りは見落としがちですが、海沿い地域や雪国では塩害によるサビが発生している場合があります。サビが進行していると修理費が高額になる恐れがあります。

内装の汚れや臭い

  • シートやフロアマット:飲み物をこぼした跡や、タバコのヤニなどは簡単には除去できない場合があります。
  • エアコンの臭い:エアコンをつけたときにカビ臭さや異様な臭いがする場合、フィルターや内部洗浄が必要かもしれません。

エンジンルームと足回り

  • オイル漏れや冷却水のにじみ:エンジンルーム内に汚れや変色がある場合、又は焦げ臭い匂いがする場合は注意が必要です。
  • サスペンションのヘタリ:車体を揺すったときに大きく揺れ続けるようであれば、サスペンションが劣化している可能性があります。

試乗でのチェックポイント

  • 加速とブレーキの感触:加速時に異音がないか、ブレーキを踏んだときにペダルがフワフワしないかなどを確認します。
  • アイドリングとエンジンの振動:信号待ちなどでアイドリングが不安定だったり、エンジン振動が大きい場合は要注意です。
  • 走行時の異音:カーブを曲がるときや段差を越えるときにきしみ音やゴツゴツ音がしないかもチェックしましょう。

アフターメンテナンスと維持費の考え方

購入後の維持費は、新車と比べて中古車のほうが安い場合も多いですが、年式や走行距離、車種によっては修理費や消耗品交換のタイミングが早まることも考えられます。そこで、以下の項目を事前に把握しておくと安心です。

定期点検と消耗品交換

  • エンジンオイル・オイルフィルター:走行距離に応じて交換時期を迎えます。買った直後は早めの交換がおすすめです。
  • タイミングベルト・ウォーターポンプ:車種やエンジン方式によって交換必要時期が異なります。購入前の交換履歴を必ずチェックしましょう。
  • ブレーキパッド・ブレーキローター:走行距離や運転スタイルによって消耗度が大きく変わります。
  • タイヤ:溝の深さだけでなく、年数経過による劣化も考慮が必要です。

車検と自動車税

中古車を購入する際に車検の残り期間を確認することは非常に大切です。車検が残りわずかの場合、近い将来に大きな出費が待っているかもしれません。さらに、排気量や重量が大きい車は自動車税が高くなる傾向にあるため、維持費をしっかりシミュレーションしておきましょう。

保証やアフターサービス

販売店やディーラーが提供する保証内容をチェックすることで、購入後のトラブル時にどこまでサポートを受けられるかがわかります。購入時点で少し高めでも、長期保証や充実したアフターサービスが付いているほうが、結果的に出費を抑えられるケースもあるでしょう。

購入時にありがちな失敗例とその回避策

中古車を買うとき、走行距離や年式、価格ばかりに気を取られすぎるあまり、肝心の車両状態を見落としてしまう失敗例が多く存在します。以下にありがちなミスと、それを避けるための対策を紹介します。

「走行距離が少ないから大丈夫」と思い込む

先述の通り、走行距離が短いからといって、メンテナンス不十分の車であればトラブルが起こりやすいかもしれません。外見だけではなく、記録簿や試乗による確認を徹底しましょう。

相場より極端に安い車に飛びつく

中古車市場では、極端に安い個体にはそれなりの理由があることが多いです。走行距離改ざん(メーター巻き戻し)や重大な修復歴が隠されている可能性もゼロではありません。信頼できる販売店や第三者機関の鑑定を利用すると安心度が上がります。

契約前に現車を確認しない

ネットオークションや広告だけを見て契約を急いでしまうと、後から思わぬ傷や汚れが見つかるケースがあります。必ず現車確認と試乗を行い、自分の目と感覚で確かめることが肝要です。遠方でもできるだけ足を運ぶか、難しければ信頼のおける鑑定サービスを依頼すると良いでしょう。

維持費を計算せずに予算を決める

購入予算だけでなく、年間の燃料費、保険料、税金、そしてメンテナンス費用まで含めて総合的に検討する必要があります。特に排気量が大きいモデルは税金が高めになるため、購入後に負担を感じる人が少なくありません。

最良の一台を手に入れるための心構え

中古車を手に入れる場合、新車とは違って「現在の状態」が千差万別であることを強く意識する必要があります。同じ年式・同じ車種でも、走行距離や整備履歴、修復歴、使用環境によってコンディションは大きく異なります。

そのため、購入時には以下のポイントを総合的にチェックし、自分の使い方やライフスタイルに合った車を選ぶことが重要です。

走行距離だけでなく整備履歴を必ず確認する

  • 走行距離が短くてもメンテナンス不足だとリスクが高い。
  • 走行距離が長くても部品交換や整備が行き届いていれば、まだまだ活躍できる可能性が高い。

実際に試乗してフィーリングを確かめる

  • 外観やスペックだけではわからない異音や乗り心地を確認。
  • アクセルやブレーキ、ハンドリングなど、日常的に使う操作感を重視する。

維持費とライフスタイルのバランスを考慮する

  • 税金、燃料費、タイヤやオイル交換などのメンテナンスコストを事前にシミュレーション。
  • ファミリーで使うか、一人で乗るか、週末のドライブ用かによって必要な車のスペックが変わる。

信用できる販売店や保証のある店舗を選ぶ

  • 信用第一とする販売店やディーラーであれば、修復歴や走行距離の改ざんなどのリスクが少ない。
  • 手厚い保証がついていると、購入後のトラブル対応で大きな安心材料になる。

中古車購入は新車と比較して注意点が多い反面、価格面だけでなく選択肢の幅広さや思いがけない掘り出し物との出会いなど、大きな魅力も秘めています。走行距離はもちろん重要な指標ではあるものの、それだけで良し悪しを判断することなく、車の総合的な状態を見極める目を養うことが大切です。

もし気になる車が見つかったら、最低限のチェック項目を押さえ、試乗や記録簿の確認を怠らないようにしましょう。そうすれば、あなたの求める理想の一台にめぐり合う可能性は格段に高まります。購入後に待ち構える維持費やメンテナンスもしっかりとシミュレーションしておけば、「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクも減らせるはずです。

「中古車を購入したいけれど、走行距離ってどこまで気にすべきだろう?」と悩む方は多いですが、最も大切なのは、走行距離だけにとらわれない視点を持つこと。年式や修復歴、整備状況、試乗でのフィーリングなどを総合的に判断し、自分が納得できる選択をすることこそが、長く快適なカーライフへの第一歩です。

以上のポイントを押さえて中古車を選べば、きっと満足度の高い買い物ができるでしょう。ぜひ知識を深めて、自分のニーズに合った車を選び、快適で楽しいドライブを実現してください。あなたのカーライフがより充実したものになるよう、心から応援しています。

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