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総額10万円以内で手に入る?低予算で狙う中古軽自動車の選び方と注意点

2025年6月1日

車が必要だけれど、できるだけ購入費を抑えたい。そんな方がまず思い浮かべるのは、維持費が安く手軽に乗れる軽自動車ではないでしょうか。特に「総額10万円以下で買える中古軽自動車なんて本当にあるの?」と疑問に思いつつも、インターネットの中古車情報などを眺めていると、まれに破格の値段で販売されている軽自動車を見かけることがあります。

しかし、いざ「支払総額10万円以下中古軽自動車」に近い条件の車を見つけても、「安すぎる車には何か理由があるのでは?」「購入後に維持費や修理代がかかりそう……」など、不安を抱える方も少なくありません。

本記事では、低予算で中古軽自動車を購入しようと考えている方に向けて、総額10万円以内が可能かどうかのリアルな実態、探し方のコツ、購入後の注意点などを詳しく解説します。最後まで読んでいただければ、低価格帯の中古軽自動車を選ぶ際に押さえておきたいポイントがきっと見えてくるはずです。

総額10万円以内の中古軽自動車は存在するのか?

まず、多くの人が気になる点として「実際に“総額10万円以内”の中古軽自動車があるのか?」という疑問が挙げられます。結論からいうと、稀ではありますが存在します。ただし、その多くは下記のようなケースが多いことを理解しておきましょう。

かなりの年式・走行距離が大きい

10年超や15年超など、かなり古い年式の車がほとんどです。走行距離も10万キロ、あるいは20万キロ近い車も珍しくありません。

車検が切れる直前、あるいは車検無し

車検が残りわずか、または車検を通さない現状販売の車両が多く、購入後すぐに車検を取る必要がある場合も。

目立つキズや凹み、汚れなど内外装の状態が良くない

相場より格安である分、外装がかなり傷んでいたり、内装のクリーニングが行き届いていなかったりするケースが多くなります。

走行に支障はないが、部品交換が必要になるリスク

本体価格は安くても、購入後にタイミングベルトなどの高額部品交換が控えている可能性があります。

つまり、本当に支払総額が10万円以内で収まる中古軽自動車を見つけても、そこには何らかの理由があり、相応のリスクを抱えている可能性が高いのです。

総額表示と本体価格の違いを知ろう

中古車を探す際に混乱しやすいのが、「本体価格」と「支払総額」の違いです。

本体価格

純粋に車両だけの価格を指します。車体が動けばOK、というくらいのイメージで設定されるため、実際には諸費用や税金などが加わって最終的な支払い額は膨らむことが多いです。

支払総額

車両本体価格に加え、登録費用、自賠責保険、リサイクル料などを合算した実質的な購入費用を示します。ディーラーや販売店によって諸経費の内容は異なりますが、車を合法的に走らせるために必要な費用が含まれるのが一般的です。

「10万円以下の本体価格」と大々的に宣伝されていても、実際に購入して乗り出すまでの支払総額は倍以上になることもしばしば。逆に、「総額10万円以下を徹底的に目指す」というなら、諸費用や税金を含めた最終的な支払いがいくらになるかを必ず販売店に確認することが大切です。

安すぎる中古車には理由がある

車両本体や総額が極端に安い場合、以下のような理由が考えられます。

過走行で寿命が近い可能性

すでに10万キロ、あるいは15万キロ以上走っている車は部品の消耗が進んでおり、購入後に大規模な修理が必要になるかもしれません。

重大な修復歴や事故歴がある

フレームの歪みや水没など、安定走行や電装系に影響を及ぼすダメージを抱えた車もあります。見た目が綺麗でも内側に問題を抱えているケースは珍しくありません。

車検切れ、車検残りわずか

車検が残り数ヶ月しかない、あるいは切れている車は整備費用がかさむ可能性が高いため、その分車両価格が安く設定されがちです。

もちろん、安い車すべてが“壊れかけ”とは限りませんが、購入前に理由をしっかり確かめることは必須です。

「支払総額10万円以下」で中古軽自動車を探す方法

少しでも安く車を手に入れたいとき、具体的にどのように探せば良いのでしょうか。ここでは、いくつかの探し方や交渉術をご紹介します。

中古車検索サイトで細かく条件を設定する

中古車検索サイトやポータルサイトでは、価格帯や地域、車検残など詳細な条件を設定して絞り込むことができます。本体価格だけではなく、「総額」も表示されるサイトも多いので、総額ベースで検索条件を指定してみましょう。

  • 本体価格をさらに下回る目安を設定
    例としては「本体価格5万円以下」といったように、諸費用や税金を考慮して余裕を持った条件を入れておくことで、最終的に10万円以内に収まる車を探しやすくなります。

中古車販売店の在庫処分セールを狙う

特定の時期や新モデル発売前など、在庫車を一斉処分するセールを行う販売店もあります。こうしたタイミングを狙えば、通常よりも値引きされた車に巡り合えることがあります。

  • 決算期(3月・9月付近)のセール
    多くの店舗が決算期に向けて売上目標を達成するため、大幅な値引きや特典を打ち出すケースがあるので要チェックです。

直接の交渉で諸費用を削る

中古車購入時の諸費用は、業者が独自に設定している手数料やオプションが含まれる場合があります。価格交渉の際に、不要なオプションや過剰な手数料を削れるかどうか確認してみるのもひとつの方法です。

  • 整備費用を自分で別途手配する
    「現状渡し」で購入し、自分で信頼できる整備工場を見つけ、必要な修理や点検を行うという手もあります。ただし、整備に詳しくない方にはリスクが高いので、慎重な判断が必要です。

※弊社では現状渡しでの納車を基本お断りしています。

個人売買やネットオークションを利用する

中古車販売店を介さず、個人売買やネットオークションで直接購入する方法も考えられます。中間マージンが発生しない分、安く買える可能性はありますが、同時に以下のリスクも伴います。

  • トラブル時の対応が難しい
    購入後に故障や不具合が見つかっても、販売店による保証がないため全額自己負担で修理することになります。
  • 車両状態の事前確認が十分にできない
    写真や出品者の説明だけでは実車の細かい状態が分からず、届いてみたら想定以上に傷んでいた……というケースもあり得ます。

安い中古軽自動車を選ぶ際のチェックポイント

総額10万円以下を目指すなら、なおさら“購入後に大きなトラブルに見舞われないか”を気にしたいところ。以下のチェックポイントを押さえておけば、リスクをある程度抑えることができます。

走行距離・年式のバランス

  • 高年式・低走行距離の車はほぼ出回らない
  • 低年式・高走行距離でも整備履歴がしっかりしていれば、まだ走れる可能性がある

ただし、実際のコンディションは“単なる数字”以上に、前オーナーの使い方やメンテナンス状況次第です。

修復歴の有無

支払総額が安い車には、修復歴があるケースもよく見られます。フレームなどに問題があると、走行の安定性に悪影響を及ぼすので、必ず販売店やオーナーに確認しておきましょう。など

車検の残り期間

  • 車検残が長い=少なくともその期間は大きな出費なしで乗れる
  • 車検切れ直前・切れ=購入後すぐに数万円~十数万円の車検費用がかかる

車検を通してからの納車なのか、現状のままでの販売なのかによって総額が大きく変わります。

整備履歴・消耗部品の交換記録

  • タイミングベルトやウォーターポンプ
    10万キロ前後で交換が必要な車種が多いので、未交換の場合は数万円の出費を見込んでおきましょう。
  • ブレーキパッドやローター、足回り部品
    走行距離が多い車は、これらの消耗度合いも要チェックです。
  • エンジンオイルやミッションオイルの交換時期
    定期的に交換されていないと、エンジンやトランスミッション内部に深刻なダメージが蓄積している可能性があります。

本当に10万円で収まる?諸費用の内訳を再確認

仮に車両本体を1円で譲ってもらったとしても、車を公道で走らせるには様々な費用が必要です。

自動車税(軽自動車税)

軽自動車の場合、排気量に関わらず一定額の軽自動車税がかかります。年度途中で購入すると月割計算が適用される場合も。

自賠責保険

車検期間分の自賠責保険料が必要です。車検残が少ない場合は更新費用も念頭に入れておきましょう。

自動車重量税

車検時に課税されます。古い年式の車だと税額が増える場合もあるので要確認。

リサイクル料

過去に支払い済みの場合は上乗せされないケースもありますが、車両価格に含まれていないと購入時に別途支払いが必要です。

登録手数料・納車費用など

ディーラーや販売店で設定している手数料は店舗ごとに異なります。納車場所が遠い場合、陸送費用も発生する可能性があります。

「総額10万円以内」と表示されていても、上記諸費用が別途かかる場合があるため、見積もりをしっかり取り、一つひとつの項目を確認しましょう。

購入後に気をつけたい維持費とメンテナンス

安い中古軽自動車を手に入れたとしても、その後の維持費や修理費がかさんでは本末転倒です。購入後のメンテナンス計画も含めて、トータルコストを見据えることが大切。

ガソリン代・オイル交換

  • 軽自動車は燃費が良いとされる
    しかし、古いモデルや走行距離が多い車は燃費性能が落ちている可能性もあるので、思ったほどの低燃費が期待できない場合もあります。
  • オイル交換は30005000kmごとに
    安全かつ燃費を維持するためにも、定期的なオイル交換やフィルター交換が欠かせません。

タイヤ交換

  • スタッドレスタイヤの必要性
    雪の多い地域では、冬用タイヤの購入が別途必要になります。
  • 溝の深さや劣化状況
    購入時のタイヤが古い場合、早々に交換が必要となり出費がかさむかもしれません。

車検や定期点検

  • 格安車検やユーザー車検も視野に
    安く抑えたいならユーザー車検や格安車検業者を活用するのも方法の一つですが、整備の知識がある程度必要です。
  • 定期点検を怠らない
    こまめな点検で未然にトラブルを防ぎ、大きな修理を避けることが結果的にコストを抑えるポイントになります。

消耗部品の予備費用

エアコンのコンプレッサーや電装系、ブレーキホース、サスペンションなど、壊れ始めると一気に修理費が跳ね上がる部品が多数あります。古い軽自動車ならなおさら、思わぬタイミングで部品交換が必要になる場合があるため、ある程度の予備費を確保しておくことが理想的です。

買う前にできるリスクヘッジ策

支払総額が10万円以下に抑えられる中古軽自動車を見つけたとき、少しでもリスクを減らすために実践できることがあります。

実車確認と試乗はできるだけ行う

個人売買やネットオークションでは難しい場合もありますが、可能ならば実際に車を見て、エンジンをかけたり試乗したりして状態を把握しましょう。異音や振動がないか、ブレーキの効きが問題ないかなどは重要なチェックポイントです。

整備士や車に詳しい知人を同伴する

車の専門知識があまりない方は、詳しい人と一緒に現車確認すると安心です。プロの整備士に依頼して点検してもらう方法もありますが、有料となる場合があるので事前に費用を確認しておきましょう。

保証やアフターサービスの内容を確認

低価格帯の中古車の場合、販売店が独自に設けている保証がほとんど付かないケースが多いです。それでも、多少なりとも保証があるなら大きな安心材料となります。また、購入後の修理や車検に対応してくれる整備工場が近隣にあるかどうかも見逃せないポイントです。

それでも低予算車を選ぶ価値があるのか

「支払総額10万円以下」という極端な条件で軽自動車を探す際には、デメリットが多い一方で、状況次第ではメリットを得られるケースもあります。

メリット

  1. 初期費用を大幅に抑えられる
    どうしてもすぐに車が必要、でも手元にお金がないという場合の緊急的な手段になり得ます。
  2. セカンドカーや短期使用なら充分
    「短い期間だけ使えればよい」「農作業や荷物運びなど限定的な用途」なら、多少古くても問題ないと割り切れるでしょう。
  3. 運が良ければ掘り出し物に出会える
    前オーナーが小まめに整備していた車や、たまたま相場より安く放出された在庫車を手にできるチャンスも、ゼロとは言えません。

デメリット

  1. 修理費が高額になるリスク
    安物買いの銭失い、という言葉があるように、壊れたら修理費が購入価格を上回ることも十分あり得ます。
  2. 安全性や快適性が落ちる
    年式が古く安全装備が不十分だったり、エアコンの冷えが悪く夏に不快だったりするかもしれません。
  3. 車検や税金を含む維持費は変わらない
    車両本体がいくら安くても、車検や税金、自賠責保険は変わらないため、総合的には割高に感じる場面もあります。

安さだけに飛びつかず、総合的に判断を

「支払総額10万円以下」の中古軽自動車を探すことは不可能ではありませんが、それなりのリスクとデメリットを伴うのが現実です。本体価格や車検残だけでなく、修理履歴や整備状態、保証の有無など多角的な視点から判断する必要があります。

  • 総額表示を必ず確認し、本体価格との差をチェック
  • 走行距離や年式だけでなく、整備履歴や消耗部品の状態を確認
  • 保証やアフターサービスがあるかどうかも重要なポイント
  • 購入後の維持費や修理費を見越した上で予算を組む

もし短期的に乗れればいいという割り切りや、車に詳しくて自分である程度整備できるスキルがある方にとっては、大きな節約につながる可能性があります。一方で、初心者や日常のメインカーとして長期使用する場合には、トラブルが頻発して余計な出費がかさむリスクも高いでしょう。

安さは魅力的ですが、車は命を乗せて走る大切な乗り物でもあります。ぜひ本記事を参考に、低価格帯の中古軽自動車選びで後悔しないよう、慎重に検討してみてください。適切な調査と判断を行えば、限られた予算でも納得のいく選択ができるはずです。

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