車検・整備

車のブレーキから音がする原因は?キーキー・ゴゴゴ音の正体と対処法

2026年2月27日

「ブレーキを踏むとキーキー音がする」「走り始めだけ異音がするけど大丈夫?」

ブレーキから聞こえる異音は、運転中に不安になるだけでなく、周囲の歩行者や近隣への迷惑も気になるものです。

ブレーキの異音には、心配のいらないものと、すぐに点検が必要なものがあります。音の種類や発生するタイミングによって原因が異なるため、正しく見極めることが大切です。

この記事では、ブレーキから音が出る仕組みと原因、対処が必要なケースの見分け方、修理費用の目安まで詳しく解説します。

ブレーキから音が出る仕組み

ブレーキの異音について理解するには、まずブレーキがどのような仕組みで車を止めているのかを知っておくと役立ちます。

ディスクブレーキの構造

現在の乗用車で主流となっているのがディスクブレーキです。多くの車で前輪に採用されており、スポーツカーや上級グレードの車では4輪すべてに装着されています。

ディスクブレーキは、タイヤと一緒に回転する円盤状の金属部品「ディスクローター」を、「ブレーキパッド」という摩擦材で両側から挟み込むことで制動力を発生させます。ブレーキペダルを踏むと、「ブレーキキャリパー」という装置がパッドをローターに押し付け、その摩擦によって車が減速・停止します。

つまり、ブレーキは金属と摩擦材をこすり合わせて止まる仕組みです。摩擦が生じる以上、ある程度の音が発生することは構造上避けられません。

ドラムブレーキの構造

一部の車種、特に軽自動車やコンパクトカーの後輪には「ドラムブレーキ」が採用されています。タイヤと一緒に回転する円筒状の「ブレーキドラム」の内側に、「ブレーキシュー」という摩擦材を押し付けて制動する仕組みです。

ドラムブレーキはディスクブレーキに比べて密閉構造のため、異音が発生しにくい特徴があります。ブレーキの異音トラブルは、多くの場合ディスクブレーキで発生します。

なぜ音が鳴るのか

ブレーキの異音(ブレーキ鳴き)は、ブレーキパッドとディスクローターが接触したときに発生する微振動が原因です。この振動が音となって増幅され、「キーキー」という甲高い音として聞こえます。

金属と摩擦材が接触する構造上、ある程度の振動や音は避けられませんが、通常は人間の耳に聞こえないレベルに抑えられています。しかし、パッドやローターの状態、気温や湿度などの条件によっては、振動が大きくなり異音として聞こえるようになります。

すべての異音が故障を意味するわけではありませんが、中には部品の摩耗や不具合を知らせる重要なサインもあります。音の種類と発生状況を正しく把握することが、適切な対処の第一歩です。

音の種類と考えられる原因

ブレーキから聞こえる異音は、音の種類によって原因が異なります。代表的な音とその原因を見ていきましょう。

「キーキー」という高い金属音

最も多いのがこの甲高い金属音です。原因は大きく分けて4つあります。

【原因①】ブレーキパッドの摩耗

ブレーキパッドは使用するたびに少しずつ削れていく消耗品です。パッドが限界近くまで摩耗すると、「ウェアインジケーター(摩耗センサー)」と呼ばれる金属片がディスクローターに接触し、キーキーという音を発生させます。

これはパッドの交換時期を知らせるための機能であり、「もう交換してください」という車からのSOSサインです。新品のパッドは約10mmの厚さがありますが、2〜3mmまで減るとこの音が鳴り始めます。

摩耗センサーによる音の特徴は、ブレーキを踏んでいないときでも走行中に鳴り続けることです。ブレーキを踏んだときだけでなく、走っているだけで金属をこするような音がする場合は、パッドがかなり減っている可能性があります。

【原因②】グリス切れ

ブレーキパッドの周辺には、振動を吸収して音の発生を防ぐためのグリス(潤滑剤)が塗布されています。このグリスが経年劣化や熱によって切れると、金属同士の接触による振動が増幅され、キーキー音が発生します。

グリス切れの場合は、グリスを再塗布することで改善することが多いです。

【原因③】パッドの当たり不良

ブレーキパッドの角が立っていたり、偏摩耗していたりすると、ディスクローターとの接触が不均一になり異音が発生します。パッドがローターを引っかくような形で接触するため、キーキーという音が鳴ります。

この場合は、パッドの角を削る「面取り加工」を行うことで改善できます。

【原因④】ブレーキが冷えている

走り始めや冬場の朝一番にだけ音がする場合は、ブレーキが冷えていることが原因です。パッドとローターは金属製のため、冷えている状態では硬くなり、振動を吸収しにくくなります。

数回ブレーキを踏んで部品が温まると音が止まるのであれば、これは異常ではありません。

「ゴゴゴ」「グググ」という低い音

高音のキーキー音とは異なり、低く鈍い音が聞こえる場合は、以下の原因が考えられます。

【原因①】ブレーキパッドの完全摩耗

キーキー音を放置し続けると、パッドの摩擦材が完全になくなり、金属のベースプレートがローターに直接接触するようになります。この状態になると「ゴゴゴ」という重い音がします。

これは非常に危険な状態です。ブレーキの効きが著しく低下しているだけでなく、ディスクローターにも深刻なダメージが及んでいる可能性があります。すぐに走行を中止し、点検を依頼してください。

【原因②】ディスクローターの錆

ディスクローターは鉄製のため、雨や雪、洗車後などに表面が錆びることがあります。錆びたローターとパッドがこすれると、「グググ」「ゴゴゴ」という音がします。

ただし、この錆は表面だけのもので、何度かブレーキを踏むと自然に削れて落ちます。しばらく走行して音が消えるようであれば、心配はいりません。音が続く場合は、ローターの摩耗や変形が進んでいる可能性があるため点検が必要です。

「ガリガリ」「ガガガ」という激しい音

急ブレーキを踏んだときに「ガリガリ」「ガガガ」という激しい音と振動を感じることがあります。これはABS(アンチロックブレーキシステム)が作動した音です。

ABSは急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防ぎ、ハンドル操作を可能にする安全装置です。ABSが作動するとブレーキを高速で断続的にかけるため、独特の音と振動が発生します。これは正常な動作であり、故障ではありません。

ただし、通常のブレーキングでこの音がする場合は、ABSセンサーの異常などが考えられるため点検が必要です。

「シャーシャー」「シュー」という擦れ音

ブレーキを踏んでいないときに、走行中ずっと「シャーシャー」という擦れるような音がする場合は、ブレーキの引きずりが疑われます。

ブレーキの引きずりとは、ブレーキを踏んでいないのにパッドがローターに接触し続けている状態です。ブレーキキャリパーの固着や、ブレーキホースの劣化などが原因で発生します。

この状態で走行を続けると、パッドやローターの異常摩耗、燃費の悪化、最悪の場合はブレーキの過熱による制動力低下を引き起こします。早めに点検を受けてください。

心配不要なケースと要点検なケース

ブレーキの異音には、様子を見ていいものと、すぐに対処が必要なものがあります。判断の目安を整理しておきましょう。

心配不要なケース

以下のような状況での異音は、基本的に心配いりません。

・走り始めの数回だけ音がして、その後消える

・冬場や雨上がりの朝だけ音がする

・低速で軽くブレーキを踏んだときだけ音がする

・洗車後や雨の日の最初のブレーキで音がするが、すぐ消える

これらは、ブレーキが冷えている状態や、ローター表面の軽い錆が原因です。走行してブレーキが温まったり、錆が削れ落ちたりすると自然に音は消えます。

特に、低速走行時に軽くブレーキペダルに足を乗せる程度のブレーキング(緩制動)では、パッドとローターの接触振動が発生しやすく、キーキー音が出やすい傾向があります。しっかりブレーキを踏んだときに音がしないのであれば、異常ではありません。

要点検のケース

以下のような状況では、早めに整備工場やディーラーで点検を受けてください。

・ブレーキを踏むたびに必ず音がする

・ブレーキを踏んでいないときも走行中に音がし続ける

・何度ブレーキを踏んでも音が止まらない

・音と一緒にブレーキペダルに振動がある

・ブレーキの効きが悪くなったと感じる

・音が日に日に大きくなっている

特に、ブレーキを踏んでいないときも音がする場合は、パッドがかなり摩耗してウェアインジケーターが常時接触している状態か、ブレーキの引きずりが発生している可能性があります。

また、「ゴゴゴ」という低い音や、金属同士がこすれるような激しい音がする場合は、パッドの摩擦材がなくなっている可能性があり、非常に危険です。すぐに走行を中止してください。

セルフチェックの方法

異音が気になったときに、自分で確認できるポイントがあります。

まず、音がどのタイミングで発生するかを観察してください。走り始めだけなのか、毎回なのか、ブレーキを踏んだときだけなのか、踏んでいないときも鳴るのか。これらの情報は、整備士に症状を伝える際にも役立ちます。

次に、ブレーキの効き具合を確認します。以前より踏み込みが深くなった、止まるまでの距離が長くなったと感じる場合は、パッドの摩耗が進んでいる可能性があります。

ブレーキフルード(ブレーキオイル)の量も目安になります。エンジンルーム内のブレーキフルードタンクの液面が「MIN」や「LOWER」のラインより下がっている場合は、パッドの摩耗かフルードの漏れが疑われます。

ただし、ブレーキは重要保安部品です。自分で分解したり調整したりすることは危険なため、異常を感じたらプロに点検を依頼することをおすすめします。

異音を解消するための対処法

ブレーキの異音を解消するには、原因に応じた対処が必要です。主な対処法を紹介します。

グリスの塗布

グリス切れが原因の場合は、ブレーキパッドの裏側やキャリパーとの接触部分にグリスを塗布することで改善できます。ブレーキ専用のグリスを使用し、パッドの摩擦面(ローターと接触する面)には絶対にグリスを付けないよう注意が必要です。

パッド交換直後に音が発生する場合も、パッドとローターがなじんでいないことが原因であることが多く、グリス塗布で解消することがあります。

整備工場での作業になりますが、費用は数千円程度で済むことが多いです。

パッドの面取り加工

パッドの角が立っていることが原因の場合は、面取り加工を行います。パッドのローターと接触する角の部分を削り、当たりを柔らかくすることでキーキー音を軽減できます。

面取り加工もグリス塗布と同様、整備工場で対応してもらえます。費用は数千円程度です。

ただし、パッドの残量が少ない場合は、面取りをしても効果が限定的なため、交換を検討したほうがよいでしょう。

ブレーキパッドの交換

パッドの摩耗が原因の場合は、交換が必要です。パッドの残量が3〜5mm以下になったら交換を検討し、2mm以下になったらすぐに交換してください。

新品のパッドは約10mmの厚さがあり、一般的に走行距離1万kmにつき約1mm摩耗します。走行距離30,000〜50,000km程度が交換の目安とされていますが、運転の仕方や走行環境によって摩耗速度は異なります。

街中での走行が多く、ストップ&ゴーを繰り返す車は摩耗が早い傾向があります。また、SUVやミニバンなど車両重量が重い車、山道の下りを頻繁に走る車もパッドへの負荷が大きく、交換サイクルが早まります。

ディスクローターの交換・研磨

ディスクローターが摩耗したり、表面に凹凸ができたりしている場合は、研磨または交換が必要です。

ローターの寿命は走行距離100,000km程度が目安とされていますが、パッドの状態や運転の仕方によって変わります。ローターの摩耗限度はメーカーによって定められており、限度を超えると制動力の低下やブレーキ時の振動の原因になります。

ローター表面の軽い凹凸であれば、研磨で平滑にすることで再使用できる場合もあります。ただし、研磨には限度があり、摩耗が進んでいる場合は交換が必要です。

ブレーキキャリパーのオーバーホール

低年式車や走行距離の多い車では、ブレーキキャリパー内部のゴム部品(ピストンシールなど)が劣化し、異音や引きずりの原因になることがあります。

この場合は、キャリパーを分解して内部部品を交換する「オーバーホール」が必要です。オーバーホールにより、キャリパーの動きがスムーズになり、異音の解消とブレーキ性能の回復が期待できます。

修理・交換にかかる費用の目安

ブレーキの異音を解消するための修理・交換費用の目安を紹介します。費用は車種や依頼先によって異なりますので、参考程度にお考えください。

グリス塗布・面取り加工

グリスの塗布やパッドの面取り加工は、比較的低コストで対応できます。

・費用目安:2,000円〜5,000円程度

12ヶ月点検や車検の際に一緒に依頼すると、追加費用を抑えられることがあります。異音が気になる場合は、点検時に整備士に相談してみてください。

ブレーキパッド交換

ブレーキパッドの交換費用は、部品代と工賃の合計です。

・軽自動車:10,000円〜15,000円程度(左右1組・フロントのみ)

・普通車:15,000円〜25,000円程度(左右1組・フロントのみ)

・輸入車・高級車:20,000円〜40,000円以上

車検や12ヶ月点検と同時に交換すると、工賃が割安になることが多いです。ディーラーでの交換は品質が安定している反面、カー用品店や整備工場に比べて費用が高くなる傾向があります。

社外品のパッドを選ぶことで部品代を抑えることもできますが、純正品と性能が異なる場合もあるため、信頼できる店舗で相談することをおすすめします。

ディスクローター交換

ディスクローターの交換は、パッドに比べて高額になります。

・費用目安:1輪あたり15,000円〜30,000円程度(部品代・工賃込み)

ローター交換時は、パッドも同時に交換することが推奨されます。古いパッドのまま新しいローターを使用すると、当たりが合わずに異音が発生したり、ローターを傷つけたりする原因になります。

前輪2輪のローターとパッドを同時に交換する場合、総額で50,000円〜80,000円程度になることもあります。

ブレーキキャリパーのオーバーホール

キャリパーのオーバーホールは、分解・部品交換・組み付けの作業が必要なため、費用がかかります。

・費用目安:1輪あたり15,000円〜30,000円程度

キャリパー本体の交換が必要な場合は、さらに高額になります。

費用を抑えるポイント

ブレーキ関連の修理費用を抑えるには、以下のポイントを意識してください。

・12ヶ月点検や車検と同時に依頼する

・複数の店舗で見積もりを取る

・ディーラー以外の選択肢(カー用品店、整備工場)も検討する

・異音を放置せず、早めに対処する

特に重要なのは、異音を放置しないことです。パッドの摩耗を放置すると、ローターにまでダメージが及び、修理費用が大幅に増えてしまいます。パッド交換だけで済むはずが、ローターも交換となると費用は2〜3倍以上になることもあります。

まとめ

ブレーキの異音は、音の種類と発生するタイミングによって原因が異なります。

走り始めだけ音がして、その後消えるようであれば心配はいりません。ブレーキが冷えている状態やローター表面の軽い錆が原因であり、走行するうちに自然に解消します。

一方、ブレーキを踏むたびに音がする、踏んでいないときも音がし続ける、音と一緒に振動や効きの悪さを感じる場合は、パッドの摩耗や部品の不具合が疑われます。早めに整備工場で点検を受けてください。

ブレーキは車の安全性を支える最も重要な装置です。異音を「いつものこと」と軽視せず、気になったら専門家に相談することをおすすめします。定期的な点検とメンテナンスで、安全で快適なカーライフを送りましょう。

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