車検・整備

12ヶ月点検の内容とは?29項目で何をチェックするのか徹底解説

2026年2月15日

「12ヶ月点検って具体的に何を見ているの?」「どんな項目をチェックするの?」

12ヶ月点検を受けるにあたって、実際にどんな内容の点検が行われるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

12ヶ月点検では、車の安全走行に関わる29項目をプロの整備士がチェックします。「走る・曲がる・止まる」という車の基本性能を中心に、普段は見えない内部の状態まで確認する重要な点検です。

この記事では、12ヶ月点検で具体的にどんな項目を点検するのか、カテゴリごとにわかりやすく解説します。

12ヶ月点検の概要

まず、12ヶ月点検の基本を押さえておきましょう。

29項目を点検する法定点検

12ヶ月点検は、道路運送車両法第48条で定められた法定点検です。自家用乗用車・軽自動車の場合、29項目の点検が義務付けられています。

点検の目的は、車検と車検の間(2年間)に車の状態をチェックし、不具合を早期に発見することです。車検が「その時点での保安基準への適合」を確認するのに対し、12ヶ月点検は「次の点検まで安全に走れるか」を確認する予防的な点検といえます。

7つのカテゴリに分類される

29項目の点検内容は、大きく7つのカテゴリに分類されます。

・かじ取り装置(ハンドル回り)

・制動装置(ブレーキ回り)

・走行装置(タイヤ・足回り)

・動力伝達装置(クラッチ・トランスミッション)

・電気装置(バッテリーなど)

・原動機(エンジン回り)

・その他(排気ガス関連・OBD診断など)

それぞれのカテゴリで具体的に何をチェックするのか、以下で詳しく見ていきましょう。

かじ取り装置(ハンドル回り)の点検

ハンドル操作を車輪に伝える「かじ取り装置」の点検です。

パワーステアリングのベルト

パワーステアリングを駆動するベルトの状態をチェックします。

具体的には、ベルトの緩みと損傷を確認します。プーリー間のベルト中央部を手で押したときのたわみ量が規定範囲にあるか、ベルト全周にわたって摩耗や亀裂がないかを点検します。

ベルトが緩んでいたり損傷していたりすると、ハンドル操作が重くなったり、異音が発生したりする原因になります。

パワーステアリングの油漏れ・油量

パワーステアリングの作動油(パワステオイル)の状態を確認します。

オイルが漏れていないか、量は適正かをチェックします。オイルが不足するとハンドルが重くなり、最悪の場合パワーステアリングが効かなくなることもあります。

制動装置(ブレーキ回り)の点検

車を止めるために最も重要な「制動装置」の点検です。12ヶ月点検で最も重点的にチェックされる部分といえます。

ブレーキペダルの遊びと踏みしろ

ブレーキペダルを踏んだときの感触を確認します。

「遊び」とは、ペダルを踏み始めてから実際にブレーキが効き始めるまでの踏みしろのことです。遊びが大きすぎると制動が遅れ、小さすぎると神経質な操作感になります。

また、ペダルを踏み込んだときの床板とのすき間も確認します。すき間が小さすぎると、ブレーキの効きが悪くなっている可能性があります。

パーキングブレーキの引きしろ

サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の状態を確認します。

レバー式の場合は引きしろ、ペダル式の場合は踏みしろが適正かをチェックします。引きしろが大きすぎると駐車時に車が動いてしまう危険があります。

ブレーキホース・パイプの損傷と液漏れ

ブレーキフルード(ブレーキオイル)を送るホースやパイプの状態を確認します。

ホースに亀裂や損傷がないか、接続部から液漏れがないかをチェックします。ブレーキホースが破損するとブレーキが効かなくなる重大なトラブルにつながるため、入念に点検されます。

マスターシリンダー・ホイールシリンダー・ディスクキャリパー

ブレーキを作動させる油圧装置の状態を確認します。

マスターシリンダー周辺、ホイールシリンダー(ドラムブレーキの場合)、ディスクキャリパー(ディスクブレーキの場合)から液漏れがないかをチェックします。

ブレーキドラム・ブレーキシュー

ドラムブレーキを装着している車の場合、ドラムとシューの状態を確認します。

ドラムとライニング(摩擦材)のすき間が適正か、シューの摺動部分やライニングの摩耗状態をチェックします。摩耗が進んでいる場合は交換を推奨されます。

ブレーキディスク・ブレーキパッド

ディスクブレーキを装着している車の場合、ディスクとパッドの状態を確認します。

ディスクとパッドのすき間、パッドの摩耗状態をチェックします。ブレーキパッドの残量が少なければ交換を推奨されます。

車検ではブレーキの制動力(効き具合)を検査しますが、12ヶ月点検ではパッドやシューの残量まで確認し、次の点検まで安全に使えるかを判断する点が異なります。

走行装置(タイヤ・足回り)の点検

車の「走る」機能に関わる走行装置の点検です。

タイヤの状態

タイヤの溝の深さ、摩耗の状態、ひび割れや損傷の有無を確認します。

溝が浅くなっていると雨天時のスリップや制動距離の延長につながります。偏摩耗がある場合は、アライメント(車輪の角度調整)の異常が疑われます。

ホイールナット・ホイールボルトの緩み

タイヤを固定しているナットやボルトの緩みを確認します。

ナットが緩んでいると、走行中にタイヤが外れる重大事故につながる可能性があります。定期的な増し締めが必要な箇所です。

ホイールベアリングのがた

車輪を支えるベアリングの状態を確認します。

がたつきがあると走行中に異音が発生したり、最悪の場合タイヤが外れたりする原因になります。

動力伝達装置の点検

エンジンの動力を車輪に伝える「動力伝達装置」の点検です。

クラッチペダルの遊び

マニュアル車の場合、クラッチペダルの遊びを確認します。

ペダルを手で押したときの遊び量が規定範囲にあるか、クラッチが連結する直前のペダルと床板のすき間が適正かをチェックします。

トランスミッション・トランスファーのオイル漏れ・オイル量

変速機(トランスミッション)や4WD車のトランスファーからオイル漏れがないか、オイル量は適正かを確認します。

オイルシール部分からの漏れがないかを点検し、漏れが見つかった場合はシールの交換が必要になります。

プロペラシャフト・ドライブシャフトの連結部の緩み

駆動力を伝えるシャフト類の連結部に緩みやがたつきがないかを確認します。

連結部が緩んでいると、走行中に異音や振動が発生する原因になります。

電気装置の点検

車の電気系統に関する点検です。

バッテリーターミナル部の緩み・腐食

バッテリーの接続部分(ターミナル)の状態を確認します。

ターミナルが緩んでいたり腐食していたりすると、エンジンがかかりにくくなったり、電装品が正常に動作しなくなったりします。

原動機(エンジン回り)の点検

車の心臓部であるエンジン周辺の点検です。

エンジンオイルの漏れ

エンジン各部からオイルが漏れていないかを確認します。

オイルパンやシリンダーヘッドカバー、オイルシールなどからの漏れをチェックします。オイル漏れを放置するとエンジンの焼き付きにつながる可能性があります。

冷却水の漏れ

エンジンを冷やす冷却水(クーラント)が漏れていないかを確認します。

ラジエーター、ヒーターホース、ウォーターポンプなどからの漏れをチェックします。冷却水が不足するとオーバーヒートを起こす原因になります。

ファンベルトの緩み・損傷

オルタネーター(発電機)やウォーターポンプを駆動するファンベルトの状態を確認します。

ベルトの緩みや亀裂、摩耗をチェックします。ベルトが切れるとバッテリーの充電ができなくなったり、オーバーヒートを起こしたりします。

燃料漏れ

燃料系統から燃料が漏れていないかを確認します。

燃料タンク、燃料ホース、インジェクターなどからの漏れをチェックします。燃料漏れは火災の原因になる危険な状態です。

その他の点検項目

上記以外の点検項目です。

排気ガスの状態

排気ガスの色や臭い、CO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)の濃度を確認します。

テスターを使用して排気ガスの成分を測定し、環境基準に適合しているかをチェックします。

車載式故障診断装置(OBD)の診断結果

2021年10月から、OBD点検が12ヶ月点検の項目に追加されました。

OBDとは車に搭載されているコンピューターで、エアバッグ、ABS(アンチロックブレーキ)、衝突被害軽減ブレーキなどの電子制御装置の故障を自己診断する装置です。

スキャンツールをOBDに接続し、記録されている故障コードや各装置の作動状況を読み取ります。警告灯が点灯していなくても、OBDに故障記録が残っていれば不具合を発見できます。

12ヶ月点検に含まれないが重要なメンテナンス

29項目の点検には含まれていませんが、12ヶ月点検のタイミングで実施が推奨されるメンテナンスがあります。

・エンジンオイル、オイルフィルターの交換

・冷却水(クーラント)の補充・交換

・ブレーキフルードの交換

・エアクリーナーエレメントの清掃・交換

・タイヤのローテーション

・ワイパーゴムの交換

これらは点検項目とは別に、車の状態を見ながら整備士が提案してくれます。必要に応じて同時に依頼すると効率的です。

シビアコンディションの追加点検

通常より厳しい条件で車を使用している場合は、追加の点検項目が推奨されます。

シビアコンディションとは、以下のような使用状況を指します。

・悪路(凸凹道、砂利道、雪道、未舗装路)での走行が多い

・走行距離が年間2万km以上と多い

・山道など上り下りの頻繁な走行が多い

・短距離走行の繰り返しが多い

このような使用状況では、部品の劣化が通常より早く進むため、以下のような追加点検が推奨されます。

・ステアリングギヤボックスの取付けの緩み

・ロッド、アーム類のボールジョイントのダストブーツの亀裂・損傷

・ドライブシャフトのユニバーサルジョイント部のダストブーツの亀裂・損傷

自分の車の使用状況がシビアコンディションに該当するか、点検時に整備士に相談してみるとよいでしょう。

点検で発見されやすい不具合

12ヶ月点検で発見されることが多い不具合を紹介します。

ブレーキパッドの摩耗

最も多く発見される不具合の一つです。走行距離が多い車や、ストップ&ゴーが多い街乗り中心の車は摩耗が進みやすい傾向があります。

パッドの残量が少なければ交換を推奨されます。残量に余裕があれば「次回の点検までは大丈夫」と判断されます。

ベルト類の劣化

パワーステアリングベルトやファンベルトは、経年劣化でひび割れや摩耗が進みます。5年・5万km程度が交換の目安とされることが多いです。

オイル漏れ・液漏れ

エンジンオイル、ブレーキフルード、パワステオイルなどの漏れは、目視点検で発見されます。軽微な漏れでも放置すると重大なトラブルにつながるため、早めの対処が推奨されます。

タイヤの偏摩耗

タイヤの内側だけ、外側だけが摩耗している「偏摩耗」は、アライメントの狂いやサスペンションの異常を示している可能性があります。

バッテリーの劣化

バッテリーターミナルの腐食や、バッテリー本体の劣化が発見されることがあります。バッテリーは3〜5年が寿命の目安とされています。

よくある質問

Q. 点検項目は業者によって違う?

いいえ、法定で定められた29項目は全国どの業者でも同じです。ただし、業者によっては法定項目に加えて独自の追加点検を行う場合があります。

Q. 走行距離が少なければ省略できる項目がある?

はい、一部の項目は走行距離が年間5,000km以下の場合、1回に限り省略できます。ただし、2回連続での省略はできません。

Q. 電気自動車(EV)の点検内容は違う?

はい、EVはエンジンを搭載していないため、エンジンオイルや排気ガスなどの点検がなくなり、代わりにモーターやバッテリー関連の点検が追加されます。

Q. ハイブリッド車の点検内容は?

ガソリンエンジン部分は通常の点検項目と同じです。ハイブリッドシステム(モーター、駆動用バッテリーなど)の点検は、ディーラーやメンテナンスパック加入者向けに独自に行われることが多いです。

Q. 自分で点検することはできる?

法律上は可能ですが、実際には専門知識と工具・設備が必要です。車を持ち上げる設備、ブレーキを分解する技術、排気ガスを測定するテスターなどが必要になるため、一般の方がすべての項目を点検するのは現実的ではありません。

まとめ

12ヶ月点検では、車の安全走行に関わる29項目をチェックします。

点検内容は「かじ取り装置」「制動装置」「走行装置」「動力伝達装置」「電気装置」「原動機」「その他」の7カテゴリに分類され、特にブレーキ回りは重点的に確認されます。

2021年からはOBD点検も追加され、電子制御装置の故障も診断できるようになりました。点検で不具合が見つかれば整備士から説明があり、修理や部品交換を検討することになります。
車検だけでは「次の車検まで安全に走れる」保証にはなりません。12ヶ月点検を受けることで、車検と車検の間に不具合を早期発見し、安全なカーライフを送ることができます。

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