中古車の整備記録って何を見ればいい？安心して買うために知っておきたい読み解き方

中古車を購入するとき、「整備記録簿あり」といった表示を見たことがある方も多いはず。でも、実際に整備記録が付いているとどんなメリットがあるのか、あるいは記録簿のどこをチェックすれば安心なのか、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。

この記事では、「整備記録ってそもそも何？」「記録があると何が分かるの？」「記録がない車は避けた方がいいの？」といった疑問に答えながら、中古車選びで整備記録を見る際に役立つ知識を、やさしく解説していきます。

整備記録ってどんな書類？

整備記録簿（正式には「点検整備記録簿」）は、車の法定点検や車検、その他の整備を行った際に、整備士がその内容を記録したものです。車を使い続けていく中で、どんな整備が、いつ、どこで行われたのかが書かれていて、いわばその車の“健康診断の履歴表”のようなものです。

記録簿は、一般的には車検ごと（つまり2年ごと）に記入されますが、それ以外にも12ヶ月点検や消耗品交換、突発的な修理などについて記録されている場合もあります。記載内容には、点検日や走行距離、交換部品、整備工場名、担当者名（もしくは押印）などが含まれており、その車がどう扱われてきたかを知る手がかりになります。

整備記録がある車のメリットとは？

整備記録がきちんと残っている車には、いくつかのメリットがあります。

まずひとつは、「過去の整備履歴が明確なので、車の状態をイメージしやすい」という点。たとえば「タイミングベルト交換済み」や「バッテリーは去年交換」といった情報が記録されていれば、今後のメンテナンスの見通しも立てやすくなります。

また、記録があるということは、それだけ前のオーナーが丁寧に車を扱っていた可能性が高いということでもあります。定期点検をサボらず受けていたか、消耗品の交換を先延ばしにしていなかったかなどが読み取れるため、購入後のトラブルのリスクも減らせます。

記録がしっかり残っている車は、査定時の評価が高くなる傾向もあるため、将来的に売却を考えている方にとってもメリットがあります。

記録簿のどこを見ればいい？

整備記録簿を見る際にポイントになるのは、「定期的に整備されてきたかどうか」と「どんな部品がいつ交換されたか」の2点です。

まずチェックしたいのは、法定点検（車検や12ヶ月点検）がきちんと記録されているかどうか。点検のたびに記録が残っている車であれば、コンディションを保つ意識の高いオーナーが乗っていた可能性が高いです。

また、走行距離の記載にも注目しましょう。同じ車検でも、1回ごとの走行距離に極端な差があれば、過去に過走行や使用環境の偏りがあったかもしれません。

さらに、ブレーキパッドやバッテリー、タイヤ、タイミングベルトといった主要な消耗品の交換履歴が確認できれば、次の交換タイミングを予測するうえで大いに役立ちます。

整備記録が「ない」車はやめた方がいい？

必ずしも、整備記録がない＝悪い車というわけではありません。たとえば整備記録はもともと紙で管理されるため、前のオーナーが紛失してしまった、というだけのケースも多々あります。

また、小規模な整備工場では記録を発行しないこともあるため、整備はしていたけれど記録簿がないという場合も。記録がないことだけを理由に選択肢から外すのは、少しもったいないとも言えます。

ただし、整備記録がない場合は、より慎重に車の現状を確認する必要があります。たとえばエンジンルームの清掃状態や、ブレーキやタイヤの摩耗具合、オイル交換のステッカーの有無などから、ある程度の整備状況を推測することも可能です。

販売店に「最近どこまで整備されてますか？」と直接聞いてみるのも有効です。その答え方次第で、整備状況への配慮度合いや店舗の誠実さが見えてくることもあります。

まとめ：記録簿は“車の履歴書”。できるだけチェックしておこう

整備記録が残っている車は、その車がどう扱われてきたか、どんなメンテナンスがされてきたかを知るための大きなヒントになります。

もちろん、記録がないからといって即NGではありませんが、あるに越したことはありません。もし記録簿があるなら、購入前に一度目を通してみることで、これからの維持計画にも役立ちます。

車のことは詳しくなくても、「点検の頻度」「交換された部品」「走行距離の変化」といったポイントを意識して見るだけで、その車の背景がぐっと見えやすくなりますよ。安心できる中古車選びのために、整備記録も“ひとつの判断材料”としてしっかり活用していきましょう。