【完全保存版】車のエアコンクリーニング徹底ガイド｜料金相場と効果をプロが解説

エアコンをつけた瞬間、「ムッとした臭い」や「カビっぽいにおい」が気になったことはありませんか？
それは、フィルターや内部の汚れサインです。車のエアコンは構造が複雑で、冷風を作る過程で湿気がこもりやすく、カビやホコリがたまりやすい場所でもあります。

臭いだけでなく、放っておくと風量が落ちたり、アレルギーの原因になることも。
この記事では、エアコン内部の仕組みから、クリーニング料金の目安、そして自分でできるメンテナンスまでを徹底的に解説します。

なぜ車のエアコンは臭くなるのか

車のエアコンは、家庭用と違い「エバポレーター」と呼ばれる冷却装置が車内の奥に設置されています。ここで空気を冷やすと同時に水滴（結露）が発生し、そこにホコリ・花粉・皮脂・カビの胞子などが付着していきます。

走行中に吸い込む外気も意外と汚れており、特に梅雨や夏場は湿度が高く、カビが一気に繁殖します。
時間が経つと、独特の「生乾き臭」や「酸っぱい臭い」がするようになり、これが多くの人が感じるエアコン臭の正体です。

つまり、臭いの発生源はフィルターではなく内部構造の奥にあります。消臭スプレーを吹きかけても一時的にごまかすだけで、根本的な解決にはなりません。

クリーニングが必要なサイン

次のような症状が出たら、エアコン内部の汚れが進行しているサインです。

• エアコンを入れた直後にカビやホコリの臭いがする
• 風量が以前より弱くなった
• 冷風・暖房の効きが悪くなった
• フロントガラスが曇りやすくなった
• アレルギーや咳が出やすくなった

特に「臭い」と「風量の低下」が同時に起きている場合は、エバポレーター（熱交換器）が汚れている可能性が高く、プロによる分解洗浄が必要です。

自分でできるエアコンの簡易ケア

プロに依頼する前に、自分でできる簡単なケアもあります。軽度の臭いやホコリなら、これだけでも改善することがあります。

フィルターの交換

グローブボックス裏にあるエアコンフィルターは、半年〜1年に1回が交換の目安。
汚れが詰まると風の通りが悪くなり、カビ臭の原因になります。交換は1,500〜3,000円程度で可能です。

エアコン用洗浄スプレー

市販のスプレーを使ってエバポレーター付近に噴射する方法です。
ノズルを差し込み、エアコンを「内気循環」「風量最大」にして10〜15分ほど運転します。
ただし、噴射が届くのは表面部分だけで、内部のカビまでは除去できません。

定期的な乾燥運転

冷房を使った後、5分ほど暖房に切り替えるだけで、内部の湿気を飛ばせます。
これを習慣にするだけでも、カビの発生率がぐっと下がります。

プロに依頼する場合の料金相場

車種や施工内容によって料金は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

フィルター交換＋簡易脱臭コース：5,000〜8,000円

軽度の臭いやホコリ対策向け。短時間で完了。

エバポレーター洗浄（部分分解）：10,000〜15,000円

カビやヤニ汚れ、花粉の蓄積を除去。臭いを根本から改善。

フル分解クリーニング：30,000〜50,000円

ダッシュボードを外し、内部構造すべてを洗浄・除菌。新品同様の仕上がり。

高級車・輸入車（完全分解対応）：50,000〜70,000円前後

特殊構造のため施工時間が長く、技術料が高い傾向。

価格だけで判断せず、「エバポレーターまで洗浄しているか」「抗菌コートが含まれるか」を確認するのがポイントです。

プロのクリーニング内容と効果

プロ施工の最大の違いは、見えない内部まで洗浄できることです。

作業ではまず、フィルターや送風口のほこりを除去し、専用の高圧洗浄液をエバポレーターに噴射します。
その後、リンサー機器で汚れと洗浄液を同時に吸い出すことで、奥にこびりついたカビやヤニを徹底除去。
仕上げに除菌・抗菌コートを吹き付けて、再発を防止します。

作業時間は約1〜2時間ほど。洗浄後は空気が明らかに軽く感じられ、エアコンの風が清涼になります。
また、冷暖房の効率が上がるため、燃費の向上にもつながるケースがあります。

クリーニングを依頼するベストタイミング

「臭いが気になったら」ではなく、「季節の切り替わり」が理想です。

• 春（花粉のあと）
• 梅雨前（湿気対策）
• 夏の終わり（冷房の使用後）

特に梅雨前は、湿度でカビが繁殖しやすくなるため、クリーニングに最適な時期。
また、エアコンの効きが悪くなったり、送風口に黒い斑点が見えるようなら要注意。
これらは内部にカビが繁殖しているサインです。

自分で掃除する場合とプロに依頼する場合の使い分け

状況に応じて、どちらを選ぶかを考えてみましょう。

軽度のホコリ・臭いが少ない場合

フィルター交換とスプレー洗浄でOK。コストも抑えられ、30分程度で完了します。

カビ臭や風量低下を感じる場合

プロの部分分解クリーニングを推奨。内部の汚れを根こそぎ除去できるため、再発しにくい。

長年放置した／中古車購入直後／アレルギー体質の家族がいる場合

フル分解洗浄がベスト。エアコン内部を完全リセットでき、安心感が違います。

自分で行う掃除はあくまで「予防」。
プロに任せるクリーニングは「リセット」。
この二段構えで、車内の空気を常に清潔に保つのが理想的です。

まとめ

車のエアコンは、快適なドライブに欠かせない設備である一方、放置すれば最も汚れやすい場所でもあります。
臭いやカビが発生する前に定期的なケアを行えば、車内の空気はいつでもクリーンに保てます。

簡易的な洗浄は自分でも可能ですが、内部のカビ・菌を完全に取り除くにはプロの力が必要です。
料金は決して安くありませんが、その分、空気の透明感と安心感はまったく別物です。一度リセットすれば、エアコンの効きも良くなり、長期的に見れば燃費や健康にも良い投資になります。
清潔で爽やかな空気が流れる車内で、これからの季節も気持ちよくドライブを楽しみましょう。