車の凹み修理はいくらかかる？値段の相場と失敗しない依頼のコツを徹底解説

ある日ふと車を見ると、ドアの端に小さなへこみ。
「いつの間に？」「これって直すべき？」と迷った経験、ありませんか？

ちょっとした凹みでも、放置するとサビや塗装の浮きにつながり、
最終的にはボディ全体の劣化を早める原因になります。

とはいえ、修理に出すにも「どこまでお金をかけるべきか」が悩ましいところ。

この記事では、凹みの程度別の修理内容と値段の目安、
そして失敗しない依頼のコツを、初めての人でもイメージしやすいように丁寧に解説します。

凹みの種類で修理方法と値段は変わる

同じ「凹み」でも、原因や場所、塗装の損傷度で修理費用はまったく異なります。

軽い接触による小さな凹み

駐車場でのドアパンチや、買い物カートが当たった程度の浅いへこみ。
塗装が無事なら、裏側から金属を押し戻す「デントリペア」で対応できます。

→ 費用目安：1〜2万円前後
→ 所要時間：30分〜1時間程度

塗装を傷めず元の形に戻せるため、最も費用対効果の高い修理法です。

塗装まで損傷している中程度の凹み

ボディ表面にキズや塗装の割れがある場合は、板金塗装が必要です。
凹みを叩き出したあと、パテで形を整え、再塗装して仕上げます。

→ 費用目安：3〜8万円
→ 作業期間：2〜4日ほど

色合わせや乾燥工程があるため、軽い作業でも数日はかかります。

フレームやパネルごと変形した大きな凹み

事故などで金属が歪み、パネルが変形しているケースは交換が必要です。
部品代・塗装・工賃を含めると10万円以上になることもあります。

修理というより「再製作」に近いため、作業期間も長めです。

凹み修理の主な方法と特徴

デントリペア

塗装を残したまま金属を裏側から押し戻す方法。
車体を分解せずに済むため、工期が短くコストも抑えられます。
ただし、塗装が割れている・へこみが角やプレスライン上にある場合は対応不可です。

板金塗装

表面を叩いて成形し、パテで滑らかに整えたうえで塗装する方法。
仕上がりは美しく、再塗装によってツヤも戻ります。
ただし塗装範囲が広がるほど費用と日数が増えるため、軽度な凹みなら他の方法を検討してもよいでしょう。

パネル交換

修理不可能な変形や、内部の骨格まで歪んでいる場合に行う方法です。
新品部品を使うため、見た目・性能ともに新車同様に戻せますが、その分コストは最も高くなります。

仕上がりで差が出る！信頼できる修理工場の見分け方

凹み修理は、職人の技術と姿勢を見ることが大切です。

まず、信頼できる工場ほど現車確認の際の説明が丁寧です。
「このへこみは板金でいける」「塗装が割れているから再塗装が必要」など、
一つひとつの理由を明確に伝えてくれる職人は、仕上がりに妥協しません。

また、作業工程を見せてくれるかどうかも判断材料になります。
最近では、修理途中の写真をLINEやメールで共有してくれる工場もあり、
「どんな修理をしたのか」が見えると、安心感が段違いです。

さらに、塗装後の色合わせは職人の腕の見せどころ。
自然光で見ても境目がわからないほどの色再現ができるかどうかで、
その工場の実力がわかります。

価格だけで比較するよりも、説明の丁寧さ・確認の細かさ・保証対応を重視することが、
結果的に満足度の高い修理につながります。

保険を使うかどうかの判断基準

凹みの修理でも、条件次第で自動車保険が使えます。

自損事故なら「車両保険」、他人の車や建物に当てた場合は「対物保険」が該当します。
ただし、修理費用が小額なら、保険を使うと翌年から保険料が上がることがあります。

例えば3〜5万円程度の修理なら自費、
10万円を超えるような損傷なら保険を使う、という判断が一般的です。

最近は、保険会社が「使った方が得かどうか」を試算してくれるサービスもあるので、
まずは相談だけでもしておくと安心です。

修理後のチェックポイント

修理が終わって受け取るときは、見た目だけでなく細部を確認しましょう。

• 光を当てたとき、塗装に波やムラがないか
• 凹んでいた箇所の反射が歪んでいないか
• ドアやボンネットの開閉感が以前と変わっていないか
• 新しい塗装面が他の部分と違和感なくつながっているか

塗装面は角度によって印象が変わるため、昼と夜で光の下でもチェックするのがおすすめです。
気になる箇所があれば、すぐに工場へ相談しましょう。

修理費を無駄にしないための工夫

凹み修理は、「早く」「正しく」行うことで長持ちします。

軽い凹みは早期に直すことで、サビや塗装の劣化を防ぎ、
長期的には再修理の必要がなくなります。

また、見積もりは1社だけで決めず、写真見積もりサービスを活用するのもおすすめ。
スマホで撮って送るだけで複数社から概算が届くため、無駄な出費を避けられます。

さらに、修理後はこまめな洗車とワックスで塗装を保護しましょう。
せっかく綺麗に直したボディを長く保つことができます。

まとめ

車の凹みは、放置すれば確実に悪化します。
表面は小さくても、内部で塗膜が剥がれ、サビが進行していることもあります。

軽度なら数万円で済むものが、半年放置するだけで倍の費用になることも珍しくありません。
「今すぐ直すほどでもない」と思っても、後の出費を減らすためには早めの対応が最善です。大切なのは、値段だけで選ばないこと。
信頼できる職人を見極め、納得できる説明を受けたうえで依頼する──
それが、愛車を長く美しく保つ一番の近道です。